繰延税金計算機: ベルギー | ciferi

ベルギーの法定税率は約29.58%である。この税率は、連邦法人税20.40%、地域税最大9.40%(ワロン地域)、そして雇用促進寄附金(ONSS)の構成要素で成り立つ。地域により実効税率は異なり、フランダース地域では約25%から約29%の幅がある。IAS...

ベルギー企業向けの繰延税金計算

ベルギーの法定税率は約29.58%である。この税率は、連邦法人税20.40%、地域税最大9.40%(ワロン地域)、そして雇用促進寄附金(ONSS)の構成要素で成り立つ。地域により実効税率は異なり、フランダース地域では約25%から約29%の幅がある。IAS 12.47は、繰延税金を測定する際に、一時差異が解消するときに適用されると予想される税率を使用することを求めている。ベルギー企業は、本社の所在地域に応じて、異なる実効税率を適用しなければならない。これは、同一グループの2つの子会社でも、繰延税金残高が異なる可能性があることを意味する。
ベルギーは規制市場に上場する企業に対してIAS 12をEU採択版として適用する。IAS 12採択前の多くのベルギー企業は、ベルギー会計基準(GAAP Belgique)の繰延税金ルールを使用していた。この移行により、初めて繰延税金資産を認識する企業が多く出た。ISA(ベルギー)の監査基準では、繰延税金は監査人が重要な見積りとして確認すべき分野として明示されている。

実務上の課題

ベルギー企業における繰延税金計算の最大の課題は、税務上の優遇措置(recherche et développement、innovation box)が複数存在することである。ベルギーの研究開発(R&D)所得控除制度は、適格な研究開発支出に対して税務控除を認めている。この制度では、支出金額の数パーセントを事業所得から控除できる。繰延税金の測定では、この優遇措置がいつまで適用されるかを評価する必要がある。IAS 12.24は、繰延税金資産の認識を、将来の課税所得が生じる確率が高いことに左右される。研究開発所得控除は期限付きであり、その期限満了後に利用可能な課税所得がどの程度あるかを判断することが必須である。
固定資産の減価償却も重要な論点である。ベルギー税務当局は、特定の業界(特に製造業)に対して加速度的減価償却を認めている。帳簿上の減価償却率と税務上の減価償却率が異なる場合、一時差異が発生し、繰延税金負債が生じる。監査人は、申告税務計算書と帳簿上の減価償却スケジュールを照合し、税務上の減価償却基盤が正確であることを確認する必要がある。

金融庁および国際的な監査検査の知見

国際的な監査検査データから、繰延税金に関する共通の問題が浮かび上がっている。AFM(オランダ)やFRC(英国)の検査報告書では、繰延税金資産の回収可能性評価において、経営者の利益予測に対する監査人の検証が不十分であることが指摘されている。特に、将来の利益予測に基づいて繰延税金資産を認識している企業では、その予測の根拠となった仮定(利益率、市場成長率、競争環境など)を監査人が充分に検査していない事例が報告されている。
PCAOB(米国)の検査では、税率変更時の繰延税金残高の再測定を見落とした事例が指摘されている。税率の引上げまたは引下げが法定化されたとき、IAS 12.46の規定により、法定化した日以降、新しい税率を適用して繰延税金を再測定する必要がある。この再測定の効果は、原則として損益計算書に計上される。多くの企業は税率変更を見落とし、古い税率のまま繰延税金を計上し続けており、これが誤りとして摘発されている。

計算機の活用方法

本計算機では、各資産および負債項目について、帳簿上の金額(会計上の帳簿価額)と税務上の基礎額(tax base)を入力する。一時差異は自動的に計算される。計算機は、一時差異が前期から反転しているケースもフラグする。繰延税金資産を認識している場合、計算機はその回収可能性を評価するための検討項目を提示する。計算結果は、IAS 12.79から88の開示要件に対応したワークペーパーとして使用できる。